第一期研究会活動報告書

1.代表者、副代表者

代表者  氏名(所属): 飯田 敏 (富山大学・理学部)

副代表者 氏名(所属): 志村 考功 (大阪大学大学院 工学研究科)

2.研究会開催記録(日時、場所、特筆するべき内容(他の研究会との合同開催や学会との共催など))

3.2カ年計画の遂行状況および目的の達成状況

研究会の活動目的は,(1)先端的X線トポグラフィ技術の開発・改良とその利活用に関する科学・関連工学を探求する,(2)開発された技術・手法の適用 範囲を格段に広げる,(3)産業利用を志向するグループとの連携・共同を強化する,(4)研究会会合を企画立案・開催する,などであった.

この目的を達成するために,2年間に研究会を3回開催し,X線トポグラフィと関連する技法に関する最新情報の共有と意見交換をした. X線トポグラフィの3次元化に関する研究紹介が3件(白色X線トポ・トモグラフィ,ステップスキャニングセクショントポグラフィ,マイクロビームX線3Dトポグラフィ)あり,その有用性が改めて認識された.従来の二次元検出器を用いたX線トポグラフィとマイクロビームを用いた走査型の回折イメージングの相補的利用が有効であろうことも分かった.X線トポグラフィが観察・評価の対象とした物質は,たんぱく質結晶,有機結晶から無機天然物結晶,産業利用を目指した人工半導体結晶やそれらを用いたデバイスまで,非常に多岐に亘ることがわかった.研究会会合では,X線トポグラフィ研究会の今後の活動計画についても意見交換した.

第10回および第11回SPring-8シンポジュウムにおいて「SPring-8における白色および単色X線回折トポグラフィ」という題のもとにX線トポグラフィ研究会の活動をポスター発表した.ポスターの内容は,(1)白色X線を用いたステップスキャニングセクショントポグラフィによるシリコン結晶中の転位分布の三次元再構成,(2)平面波X線を用いた回折トポグラフィと局所ゴニオメトリィ,(3)広領域X線トポグラフィによる歪みSiウェーハの結晶性評価,(4)白色X線マイクロビームと二次元検出器を用いたステンレス鋼の結晶粒界イメージングの開発,であった.また,「SPring-8利用者情報」誌,2008年1月号に「X線トポグラフィ研究会の現状報告」と言う記事を書き,研究会会員以外にもその活動内容を広く広報できた.以上のように,この2年間で当初掲げた研究会の目的をかなり達成できたのではないかと思っている.

4.研究会活動により得られた成果(例:研究会が核となり行った外部資金獲得の申請や実績、コンソーシアムの立ち上げ、新規ユーザーの開拓、施設の改善・高度化に関わる提案やその実績など)

  1. 新しいX線トポグラフィ技術の開発,改良としては,X線トポグラフィによる広領域評価と局所領域評価の両立,X線トポグラフィと他の結晶評価手法との同時相補的併用方法,実時間X線トポグラフィのさらなる高度化,X線トポグラフィにおける放射光X線のパルス性の利用,放射光X線の高いコヒーレンスの利用,X線トポグラフィ実験の自動化,新しい二次元X線検出器のX線トポグラフィ実験における試用,などである.
  2. X線トポグラフィの適用・応用範囲の拡大に関しては,新しい物質群の評価へのX線トポグラフィの適用,実環境における実材料の評価へのX線トポグラフィの適用,などである.
  3. X線トポグラフィの利用促進に関するソフトウェアの整備については,X線トポグラフィに関するデータベースの構築,トポグラフ像の撮影から材料の定量的評価への高度化(X線トポグラフ像の回折物理に基づく解釈・解析ツールの整備,汎用化),などである.

5.研究論文発表リスト(主要なもの5編程度)

6.研究会Webページ(研究会の情報を公開しているWebページなどがあれば、URLをご記入ください。)

http://www-asf.mls.eng.osaka-u.ac.jp/Xtopo/wiki/index.php

7.その他(特筆すべきことがあれば、ご記入ください。


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